健康的なダイエット方法をサポート!肥満予防健康管理士とは?

厚生労働省の最新の国民健康・栄養調査では、BMI25以上の肥満者の割合は男性で約3割、女性で約2割となっており、依然として肥満対策は重要な健康課題となっています。
肥満は、生活習慣病をはじめとした様々な病気を招く原因になるため、早急に解消すべき課題です。
そこで、健康的に肥満を予防・解消するために、正しい知識を持って適切な指導ができる人材の育成を目的に作られた資格が、肥満予防健康管理士です。
肥満予防健康管理士の資格を栄養士や管理栄養士が持つことで、特定保健指導や栄養指導を行う際に、肥満者に対してより適切なアドバイスができたり、他の栄養士との差異化を図り、ダイエット指導の専門家として活動できたりと、専門性を高めることができます。
この記事では、肥満予防健康管理士の資格の概要や取得方法、試験内容、メリットなどについて解説します。
肥満予防健康管理士とは
肥満予防健康管理士とはどのような資格なのか、詳しく説明します。
資格の概要
「肥満予防健康管理士」は、一人でも多くの国民が心身共に健康で、ゆとりある豊かな生活を営むことが出来るように最先端の肥満学に基づきメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防を目指した肥満予防、肥満解消と健康について適切なアドバイスができるスペシャリスト養成講座です。
肥満予防健康管理士(healthy Diet Advisor)は、保健指導分野の民間資格で、一般社団法人日本肥満予防健康協会が認定を行います。
肥満に関する基礎知識を広く一般の人たちに普及することを目的としてはじまった資格制度です。
肥満予防健康管理士が求められている理由
近年、健康と美容の両面から、痩せたいという願望を持つ人が増え、年齢、性別を問わず、多くの人々がダイエット(肥満の予防・解消)に興味を持っています。
テレビや雑誌、インターネットでは、さまざまなダイエット方法やダイエット食品などが日常的に取り上げられています。
しかし、世間にあふれるダイエット情報から、自分に合わない方法を選択して、健康を害してしまったり、リバウンドを繰り返したりする人も少なくありません。
こうした現状から、肥満やダイエットについて、正しい知識を持ち、一人ひとりに合ったダイエット方法を的確にアドバイスができる人材として、正しい知識を持った肥満予防健康管理士が求められています。
認定機関
一般社団法人日本肥満予防健康協会
肥満予防健康管理士の資格制度普及を目的に平成18年10月設立されました。肥満と健康に関する正しい知識を広めることで、生活習慣病の予防や、より健康的な生活の実現を目指しています。
現在では、日本最大級の健康・ダイエット・美肌についての資格認定団体となっています。
肥満予防健康管理士が必要とされている職場
肥満予防健康管理士は、肥満と健康に関わるさまざまな分野の職場で必要とされています。おもに、以下のような職場での活躍が期待できます。
主な職場としては、健康保険組合、医療機関、自治体、スポーツ・フィットネス業界、ホテル、健康食品会社、美容・エステ業界、化粧品会社、ダイエット関連会社、一般企業の総務部・人事部の担当者などです。
肥満予防健康管理士の資格を活かした仕事内容
肥満予防健康管理士は、保健指導やダイエットカウンセリングを行う仕事が中心となります。
具体的な仕事内容としては、健康保険組合や医療機関、自治体などで行われる特定健診において、特定保健指導を行ったり、フィットネスクラブやエステサロンでダイエットを目的とする方の食事指導を行ったりと、ダイエット指導のプロとして活躍することができます。
さらに、ダイエットカウンセラーとして、TV電話やメールなどを使い、在宅で相談や指導を行うことや、独立してダイエットスクールを開講することも可能です。
肥満予防健康管理士の給料(資格による優遇はあるのか)
給料についての正式なデータはありませんが、資格によって給与が大幅にアップすることは、あまり無いと思われます。
ただし、職場によっては、ダイエットのアドバイザーとして顧客の信頼を得て実績を残せば、資格手当や報酬アップにつながる可能性はあると考えられます。
また、給料の優遇は無くても、特定保健指導の仕事に応募する際、資格を持っていれば、肥満予防の知識を認められ、採用に有利になるかもしれません。
肥満予防健康管理士になる方法
肥満予防健康管理士になるには、一般社団法人日本肥満予防健康協会(JOPH)が実施する資格講座を受講し、認定試験に合格したうえで資格認定手続きを行う必要があります。受験資格に厳しい条件はなく、健康・栄養・ダイエットに興味がある方であれば誰でもチャレンジできます。
受講資格・受験資格
肥満予防健康管理士は国家資格ではなく民間資格です。年齢や学歴、職歴などの受験制限は基本的になく、栄養士や管理栄養士はもちろん、看護師、保健師、スポーツトレーナー、エステティシャン、会社員、学生など幅広い人が受講しています。
資格取得までの流れ
1. 講座へ申し込む
日本肥満予防健康協会が実施する講座へ申し込みます。受講方法は以下から選択できます。
- 通学講座
- ZOOMによるオンライン講座
- 通信(DVD)講座
ライフスタイルに合わせて学習方法を選べるため、仕事を続けながらでも資格取得を目指せます。
2. 30時間のカリキュラムを受講する
講座では30単元・30時間のカリキュラムを学習します。
主な学習内容は以下のとおりです。
- 肥満の基礎知識
- BMIや体脂肪率の評価方法
- 肥満の原因とメカニズム
- メタボリックシンドローム
- 生活習慣病との関係
- 食事療法
- 五大栄養素
- 運動療法
- ダイエットプログラムの作成方法
- コーチング技術
肥満予防から実践的なダイエット指導まで、幅広い知識を体系的に学べます。
3. 認定試験を受験する
講座修了後に認定試験を受験します。
通学・ZOOM講座の場合は会場での試験が実施され、通信講座の場合は添削課題や自宅受験形式で試験が行われます。筆記試験の合格基準は正答率70%以上とされています。
4. 合格後に認定手続きを行う
試験合格者には合格通知と認定に関する案内が送付されます。その後、協会の会員登録手続きを行い、年会費を納入することで正式に肥満予防健康管理士として認定されます。
受講料・費用(2026年時点)
受講方法 | 受講料(税込) |
通学講座・ZOOM講座 | 165,000円 |
通信(DVD)講座 | 110,000円 |
講座料には認定試験料が含まれています。資格認定後は、日本肥満予防健康協会の年会費11,000円(税込)が必要です。なお、料金やキャンペーン内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
取得までの期間の目安
通学・ZOOM講座では所定の日程に沿って受講を進めます。通信講座は自分のペースで学習できるため、仕事や家事と両立しながら資格取得を目指せます。学習ペースによって異なりますが、数か月程度で取得する方が多い資格です。
試験の内容・合格率・試験対策方法
肥満予防健康管理士の認定試験は、日本肥満予防健康協会(JOPH)が実施する資格講座の修了後に受験します。講座で学んだ内容を正しく理解しているかを確認する試験であり、肥満やダイエットに関する専門知識だけでなく、実際の指導に活かせる知識も問われます。
試験内容
受講方法によって試験形式が異なります。
通学講座・ZOOM講座
講座修了後に認定試験が実施されます。
- 試験時間:60分
- 試験形式:筆記試験
- 合格基準:正答率70%以上
通信(DVD)講座
通信講座では学習の進捗に合わせて添削課題へ取り組み、講座修了後に認定試験を受験します。試験は自宅受験形式で実施されます。
試験の難易度
肥満予防健康管理士の公式な合格率は公表されていません。
一方で、肥満のメカニズムや生活習慣病との関係、栄養学、運動療法など幅広い分野を学習する必要があるため、講義を受けただけで復習を行わない場合は十分な得点を取れない可能性があります。特に医療・栄養分野の学習経験がない方は、用語の理解に時間がかかる場合もあります。
栄養士や管理栄養士の場合は、栄養学や生活習慣病に関する基礎知識があるため、比較的学習を進めやすい資格といえるでしょう。
試験対策方法
テキストを繰り返し読み込む
認定試験は講座内容から出題されるため、まずはテキストの内容を確実に理解することが重要です。
特に以下の項目は重点的に復習しましょう。
- 肥満の定義
- BMIの計算方法と判定基準
- メタボリックシンドローム
- 肥満と生活習慣病の関係
- 五大栄養素の働き
- 食事療法の基本
- 運動療法の基礎知識
これらは肥満予防健康管理士として活動するうえで土台となる知識です。
添削課題を活用する
通信講座では添削課題が用意されています。
課題を提出することで理解不足の分野を把握できるため、間違えた部分はテキストへ戻って復習することが大切です。添削課題を繰り返し見直すことで試験対策にもつながります。
暗記だけでなく理解を重視する
肥満予防健康管理士は、資格取得後に実際の保健指導やダイエットアドバイスで知識を活用することが想定されています。
そのため、
- なぜ肥満になるのか
- なぜ体重が増減するのか
- なぜ運動や食事改善が必要なのか
といった仕組みを理解しながら学習すると、試験対策だけでなく実務にも役立ちます。
栄養士・管理栄養士へのワンポイント
栄養士・管理栄養士が受験する場合は、栄養学や生活習慣病の知識を既に学んでいるため、一般受験者より有利な傾向があります。一方で、ダイエット指導の実践やコーチング、行動変容支援などは養成課程で深く学ぶ機会が少ないため、これらの分野を重点的に復習すると効率的です。肥満改善支援の専門性を高めたい方にとっては、比較的取得しやすく実務にも活かしやすい資格といえるでしょう。
栄養士・管理栄養士が肥満予防健康管理士を取得するメリット
肥満予防健康管理士は、栄養士・管理栄養士に必須の資格ではありません。しかし、肥満改善やダイエット支援に関する専門知識を体系的に学べるため、転職活動やキャリアの幅を広げる際に役立ちます。
特定保健指導の求人でアピールしやすくなる
健康保険組合や健診センター、受託企業などが募集する特定保健指導の求人では、生活習慣病予防や減量支援の知識が求められます。
肥満予防健康管理士を取得していると、「肥満予防」「ダイエット指導」「行動変容支援」を学んでいることを客観的に示せるため、応募時のアピール材料になります。特に実務経験が浅い方やブランクがある方にとっては、学習意欲や専門性を伝える手段の一つになります。
美容クリニック・エステ業界への転職で差別化できる
近年は美容クリニックや痩身エステ、パーソナルジムなどでも栄養指導を行うケースが増えています。
これらの業界では通常の栄養管理だけでなく、「健康的なダイエット」「体重管理」「ボディメイク」といった知識が求められます。肥満予防健康管理士を取得していれば、ダイエット支援に特化した知識を持つ人材として差別化しやすくなるでしょう。
健康経営・企業向け保健事業への転職に活かせる
企業では従業員の健康管理や健康経営への取り組みが進んでいます。
肥満対策や生活習慣病予防は健康経営の重要なテーマの一つです。そのため、産業保健分野や企業内健康支援業務に携わりたい場合、肥満改善に関する専門知識は強みになります。
肥満・ダイエット分野の専門性を高められる
栄養士養成課程では栄養学を幅広く学びますが、肥満改善やダイエット指導に特化して学ぶ機会は多くありません。
肥満予防健康管理士では、肥満のメカニズムや運動療法、ダイエットプログラムの作成方法などを体系的に学べるため、転職市場で「肥満改善に強い栄養士・管理栄養士」を目指せます。
肥満予防健康管理士はこんな人におすすめ
特定保健指導に携わりたい人
健診後の保健指導や生活習慣病予防に関心がある方におすすめです。肥満と生活習慣病の関係を深く学べるため、保健指導のスキル向上につながります。
ダイエット指導に強い栄養士を目指したい人
「痩せたい」「体重を減らしたい」という相談は栄養士に多く寄せられる悩みの一つです。ダイエット支援の専門知識を身につけたい方に向いています。
美容業界への転職を考えている人
美容クリニック、痩身エステ、フィットネスクラブ、パーソナルジムなどへの転職を考えている方にも適しています。美容と健康を両立した食事指導の知識を学べます。
栄養指導の提案力を高めたい人
病院や介護施設、企業などで働く栄養士・管理栄養士の中には、「減量指導に自信がない」と感じる方もいます。肥満予防健康管理士の学習内容は、より具体的な食事・運動指導を行うための知識習得に役立ちます。
今後のキャリアの選択肢を広げたい人
転職活動ですぐに有利になる資格ではありませんが、肥満改善やダイエット支援に関する知識を身につけることで、美容業界、保健指導分野、健康関連企業など活躍の選択肢を広げられます。
自分や家族の健康管理にも役立てたい人
仕事だけでなく、自身の体重管理や生活習慣病予防、家族の健康づくりに知識を活かしたい方にもおすすめの資格です。正しいダイエット知識を学べるため、日常生活にも役立つでしょう。
参考文献・サイト
- 日本肥満予防健康協会「肥満予防健康管理士講座」(2026年8月5日閲覧)
- 日本肥満予防健康協会「資格講座受講について」(2026年8月5日閲覧)
- 日本肥満予防健康協会「肥満予防健康管理士 通学講座日程」(2026年8月5日閲覧)
- 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(2026年8月5日閲覧)
