保育園・認定こども園で働く調理師とは?仕事内容や給料、やりがい・転職ポイントを解説

保育園・認定こども園で働く調理師とは?

保育園・認定こども園の調理師はどんな仕事?

保育園や認定こども園では、子どもの成長を支えるために、毎日給食やおやつが提供されています。
調理師は、管理栄養士や栄養士が作成した献立に沿って、食材の検品、仕込み、調理、盛り付け、配膳準備、洗浄などを行います。園によっては、食材の発注や在庫管理、離乳食、アレルギー対応食、行事食、手作りおやつも担当します。
保育園給食では、子どもの発育や食べる機能に合わせて、食材の硬さや大きさを変えます。乳児には離乳の進み方に合わせて食材の硬さや大きさを調整し、食物アレルギーのある子どもには、園の方針や医師の指示に基づいて除去食や代替食を用意します。
園内で食材から調理する園がある一方、外部から届いた食事の盛り付けや再加熱を中心に行う園もあります。転職する際は、園児数だけでなく、離乳食やアレルギー対応の人数調理方式厨房の人員体制まで確認しておきましょう。
この記事では、保育園・認定こども園で働く調理師の仕事内容や1日の流れ、やりがい、大変なこと、給料、求人選びのポイントを解説します。

保育園・認定こども園で働く調理師とは

保育園・認定こども園における給食の役割

保育園・認定こども園の給食には、子どもの成長に必要な栄養を補うだけでなく、食べることへの興味や、周囲の人と食事を楽しむ気持ちを育てる役割があります。
乳幼児期は、噛む、飲み込む、手づかみで食べる、スプーンや箸を使うといった食べる機能を身につけていく時期です。同じ年齢でも、食べられる量や硬さ、苦手な食材には個人差があります。調理師は、管理栄養士や栄養士、保育士などから共有された情報を確認し、子どもの発育・発達に合った状態へ仕上げます。
こども家庭庁の「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」では、児童福祉施設の食事には、子どもの心身の発育・発達を支えることに加え、安全で安心な食事、豊かな食体験、食生活の自立を支える役割があると整理されています。毎日の給食は、食材の名前や旬を知り、決まった時間に食卓を囲む経験にもなります。同ガイドでは、こうした食事を「食育の生きた教材」と位置づけています。
保育室から「今日は野菜をよく食べていた」「肉が少し噛みにくそうだった」「おかわりをした子が多かった」といった情報が厨房へ伝わることもあります。調理師自身が食事内容や離乳食の段階を独自に変更するのではなく、園内で共有された指示に沿い、食材の切り方や加熱時間、水分量などを調整します。
食材の切り方ややわらかさをそろえ、決められた時間までに安全な給食を仕上げる。これが園の厨房で調理師が毎日行う仕事です。

保育園・認定こども園調理師と飲食店調理師の違い

保育園・認定こども園と飲食店では、どちらも調理技術を使いますが、食事を提供する目的や仕事の進め方が異なります。
飲食店では、お客様から注文を受けて料理を作ります。料理のおいしさや見た目に加え、注文から提供までの早さも評価を左右します。来店状況によって注文数が変わるため、混雑時には複数の料理を同時に仕上げなければなりません。
保育園・認定こども園では、その日に登園する子どもと職員の人数を確認し、予定食数に沿って給食を作ります。基本的には昼食とおやつを決められた時刻に提供するため、調理、盛り付け、配膳準備を逆算して進めます。
幼児食を作る横で、離乳食やアレルギー対応食を別の鍋や器具で進める日もあります。調理後は、年齢、クラス、離乳食の段階、アレルギーの有無を確認し、対象の子どもへ間違いなく届けます。
味付けにも違いがあります。飲食店では店舗のコンセプトや顧客の好みに合わせて調味しますが、保育園給食では、子どもの年齢や発達段階に合わせた献立とレシピに沿って作るのが基本です。担当者によって味や硬さに大きな差が出ないよう、調味料の使用量や切り方、加熱方法などが定められています。

保育園・認定こども園調理師と飲食店調理師の比較

項目

保育園・認定こども園調理師

飲食店調理師

食事の目的

子どもの発育・発達支援、食育、食べる楽しみ

顧客満足、店舗の売上

提供相手

乳児、幼児、職員

来店客

調理内容

幼児食、離乳食、アレルギー対応食、おやつなど

店舗メニューに沿った料理

提供数

登園人数をもとに決めた食数が中心

来店状況や注文内容で変動

提供時間

昼食、おやつなどの決められた時刻

営業時間内に注文ごとに提供

作業方法

チームによる分担、または少人数での一連作業

店舗の規模や業態によって異なる

確認項目

年齢、クラス、離乳食の段階、アレルギーなど

注文内容、アレルギーなど

利用者との関わり

給食の様子や食育活動を通じて関わる場合がある

接客やカウンター越しに関わる場合がある

飲食店から転職するときに感じやすいギャップ

飲食店から保育園・認定こども園へ転職したときに戸惑いやすいのが、離乳食やアレルギー対応に伴う確認作業の多さです。
幼児食を作りながら、別の鍋で離乳食を用意し、さらにアレルギー対応食を個別に調理する場合があります。食材や調理器具を分けるだけでなく、配膳前には名前、クラス、除去する食品、代替食の内容などを確認します。
調味料の使い方にも違いがあります。飲食店で提供していた料理と比べて、素材の味を活かした味付けが中心となるため、入職直後は物足りなく感じるかもしれません。ただし、大人にとって薄味に感じることと、料理として味がまとまっていないことは別です。だしの取り方や食材の組み合わせ、水分量を工夫し、子どもが食べ進めやすい状態へ仕上げます。
飲食店で覚えた包丁の扱いや仕込みの段取り、加熱の見極めは、園の厨房でもそのまま役立ちます。昼食の提供時刻から逆算して複数の料理を仕上げる点は、飲食店と共通しています。

保育園・認定こども園で働く調理師の仕事内容

保育園・認定こども園の調理師は、食材の検品や仕込み、給食の調理、離乳食・アレルギー対応食の調理、おやつ作り、盛り付け、配膳準備、洗浄、清掃などを担当します。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、給食調理員の仕事として、食材の発注納品確認材料の下処理大量調理盛り付け配膳器材の洗浄・消毒食器洗浄調理場の清掃などが挙げられています。給食の提供先には学校、病院、介護施設などと並んで保育所も含まれ、通常の調理以外にアレルギー除去食を担当することもあると説明されています。
どこまで担当するかは園ごとに違います。献立作成と発注は栄養士が行い、調理師は厨房業務に集中する園もあれば、調理師が在庫管理や給食会議まで受け持つ園もあります。求人票に詳しく記載されていなければ、面接で確認しておきましょう。

食材の検品・仕込み

食材が納品されたら、納品書や発注内容と照らし合わせながら、品名、数量、期限、鮮度などを確認します。冷蔵品や冷凍品が適切な状態で届いているか、包装の破損や異物がないかも確認します。
検品後は、野菜の洗浄やカット、肉や魚の下処理を行います。保育園・認定こども園では、幼児食用と離乳食用で食材の切り方を変えることがあります。同じニンジンでも、幼児食にはいちょう切り、離乳食には細かく刻んだものや、加熱後につぶしたものを用意するなど、提供する相手に合わせて仕込みます。
昼食を11時30分に提供する場合、盛り付けと配膳準備に必要な時間を考え、何時までに切り込みを終えるかを決めます。仕込みが遅れると加熱調理だけでなく、離乳食やアレルギー対応食の確認時間にも影響するため、工程全体を見ながら進めます。

幼児食を調理する

幼児食は、管理栄養士や栄養士が作成した献立、レシピ、調理指示書に沿って作ります。
主食、主菜、副菜、汁物を組み合わせる献立のほか、丼、麺類、カレーなどを提供することもあります。子どもが噛みやすい大きさへ切り、硬くなりやすい肉や魚は、煮る、蒸す、あんをかけるなどの方法で食べやすく仕上げます。
乳幼児は食べる機能の発達途中にあるため、大人が問題なく食べられる料理でも、食材の大きさや弾力によっては食べにくいことがあります。こども家庭庁のガイドでも、年齢だけでなく、一人ひとりの発育状況、食べる機能、健康状態などを踏まえて食事を提供する考え方が示されています。
小さく切るだけでは、かえって口の中でまとまりにくくなる食材もあります。弾力の強い肉や繊維の残りやすい野菜は、切り方だけでなく加熱方法も見直します。園の調理基準や過去の喫食状況を確認しながら、硬さ、大きさ、水分量を調整します。

離乳食を調理する

0歳児や1歳児を受け入れている園では、離乳食を用意します。
同じ月齢でも、食べられる食材や離乳の進み方は同じではありません。家庭で食べたことのある食材や現在の食べ方、当日の体調を確認して用意します。園によっては「初期・中期・後期・完了期」などの区分を使用しますが、段階の名称や調理基準は職場ごとに異なります。

離乳食の区分例

調理の目安

初期

なめらかにすりつぶし、飲み込みやすい状態にする

中期

舌でつぶせる程度のやわらかさにする

後期

歯ぐきでつぶせる程度にし、手づかみ食べにも対応する

完了期

食べる機能に合わせて、幼児食へ近づけていく

実際の調理では、幼児食と同じ食材をやわらかく煮て取り分けたり、離乳食用として別に加熱したりします。食材を細かく刻む、すりつぶす、とろみをつける、水分を加えるなどして、園で決められた状態へ調整します。
形のある食事へ進めるかどうかを、調理師だけで判断することはありません。「以前より形のあるものを食べられるようになった」「口から出すことが増えた」といった情報は、保育士や保護者、栄養士などで共有されます。厨房では、その日の指示表を見て、食材の硬さや大きさを調整します。

アレルギー対応食を調理する

食物アレルギーのある子どもが在籍している園では、通常食から原因食品を除いた除去食や、別の食品に置き換えた代替食を作ることがあります。
「保護者から聞いたから」という理由だけで、除去する食品を決めることはありません。園の方針や医師が記載する生活管理指導表などをもとに、施設長、栄養士、調理師、保育士、看護師などが情報を共有します。保育所のアレルギー対応では、職員ごとの役割を明確にし、医療機関や保護者などと連携して組織的に対応することが示されています。
厨房では、原因食品の混入や誤配膳を防ぐため、次のような方法で対応します。
  • 通常食とアレルギー対応食の調理場所や時間を分ける
  • 専用の調理器具や食器を使う
  • 原材料表示と納品された商品の規格を確認する
  • 対応食へ名前やクラスを表示する
  • 盛り付け後に複数のスタッフで確認する
  • 配膳時に保育士と対応内容を照合する
  • 献立や食材が変更された場合は厨房と保育室で共有する
見落としやすいのが、加工食品や調味料の代替品です。同じ種類の商品でも、メーカーや規格が変われば原材料も変わることがあります。代替品を使う日は、開封前に表示を見直します。

盛り付け・配膳準備

料理が完成したら、年齢やクラスに合わせた分量で盛り付けます。
乳児クラスと幼児クラスでは、食べる量だけでなく、食材の大きさや食器が異なる場合があります。離乳食やアレルギー対応食は、通常食と見分けられる食器やトレーを使用する園もあります。
盛り付け時には、クラスごとの人数と食数を照合します。欠席や早退、体調不良などで提供数が変わるケースもあるため、朝の予定食数だけで判断せず、最新の変更内容を確認します。
アレルギー対応食を別鍋で作っても、最後に通常食のトレーへ載せれば誤配膳になります。調理担当者が盛り付け後に確認し、配膳を受け取る保育士がもう一度名前と対応内容を照合する園もあります。

おやつを調理・準備する

多くの保育園・認定こども園では、昼食に加えて午後のおやつを提供します。園によっては、午前中にも乳児向けのおやつを用意します。
おやつは市販品だけでなく、おにぎり、蒸しパン、クッキー、ゼリー、いも料理、米粉を使った菓子などを手作りすることもあります。おやつには甘い菓子だけでなく、おにぎりやいも料理も出ます。昼食から夕食までの間に必要なエネルギーを補うためです。
昼食後の洗浄作業と並行して、おやつの生地を作ったり、オーブンで焼いたりするため、午後も時間配分が必要です。アレルギーのある子どもには、卵、乳、小麦などを使わない別のおやつを用意する場合があります。

食材の発注・在庫管理

職場によっては、調理師が食材の発注や在庫管理を担当します。
献立と予定食数を確認し、必要な食材を発注します。曜日や行事、園児の出席予定によって食数が変わるため、園児数だけでなく職員分や延長保育のおやつなども含めて数量を調整します。
在庫管理では、冷蔵品、冷凍品、乾物、調味料、アレルギー対応用の食品などを保管場所ごとに確認します。アレルギー対応用の食材は、通常の食材と区別できるように保管することがあります。
発注を管理栄養士や栄養士が担当し、調理師は納品確認だけを行う園もあります。担当範囲は園ごとに異なるため、求人票と面接の両方で確認しましょう。

洗浄・清掃・衛生管理

給食提供後は、使用した食器、食缶、トレー、調理器具を洗浄し、厨房内を清掃します。
乳幼児は体調の変化が起こりやすいため、食中毒や異物混入を防ぐ衛生管理が欠かせません。調理従事者の体調確認、手洗い、食材や器具の使い分け、加熱温度の測定、冷蔵庫・冷凍庫の温度確認などを行い、結果を記録します。
まな板や包丁は、肉、魚、野菜、加熱済み食品などで使い分けることがあります。フードプロセッサー、ミキサー、ブレンダーなど、離乳食調理で使用する機器は部品の隙間に食材が残りやすいため、使用後に分解して洗浄・消毒します。
食事の提供ガイドでは、自園調理と外部搬入の双方について、安全・衛生面を含む実施体制や確認事項が整理されています。

食育活動に参加する

保育園・認定こども園では、給食そのものに加え、食材に触れたり、調理の様子を見たりする食育活動を行うことがあります。
例えば、次のような活動があります。
  • 旬の野菜を子どもに見せる
  • トウモロコシの皮むきを体験してもらう
  • 園で育てた野菜を給食に使用する
  • クッキング保育を行う
  • 給食室から献立や食材について説明する
  • 給食だよりに調理方法や季節の食材を紹介する
  • 子どもと一緒に給食を食べて感想を聞く
調理師の関わり方は、厨房から食材を渡す程度の園もあれば、子どもの前で調理方法を説明する園もあります。普段は調理と洗浄を担当し、行事のときだけ保育室へ出る職場もあります。食育計画やクッキング保育まで受け持つかは、応募前に確認したいところです。

行事食・イベント食を作る

保育園・認定こども園では、誕生日会、七夕、クリスマス、節分、ひな祭りなどに合わせて行事食を提供することがあります。
星形に抜いたニンジンを使った七夕メニューや、鬼をイメージした節分メニュー、子どもの日のおやつなど、見た目でも行事を楽しめるように工夫します。
見た目を凝らす日でも、子どもが安全に食べられる形にすることが先です。飾りに使った食材が硬すぎないか、大きすぎないか、アレルギー対応食でも同じような楽しさを感じられるかを確認します。
行事食の日は、星形の型抜きや料理ごとの飾り付けが加わり、いつもの給食より盛り付けに時間がかかります。子どもから「また作って」「今日の給食かわいかった」と声をかけてもらえると、準備の忙しさが報われるでしょう。

保育園・認定こども園調理師の1日のスケジュール

保育園・認定こども園では、昼食と午後のおやつを提供する職場が多く、朝から夕方までの日勤を中心とした勤務が見られます。
ただし、園の開園時間や延長保育、朝のおやつ、夕方の補食、土曜保育の有無によって勤務時間は異なります。以下は、園内厨房で食材から調理する場合の一例です。

時間

業務内容

8:00

出勤、体調・衛生チェック、納品された食材の検品

8:30

野菜の洗浄、切り込み、肉や魚の下処理

9:30

幼児食、離乳食、アレルギー対応食の調理

10:45

加熱状態の確認、味見、盛り付け

11:15

クラス別の食数確認、配膳準備

11:30

給食提供

12:00

食器や調理器具の洗浄、厨房清掃

13:00

休憩

14:00

午後のおやつ作り、翌日の食材確認

15:00

おやつ提供

15:30

おやつの食器洗浄、清掃

16:15

発注、記録、翌日の準備

17:00

引き継ぎ、退勤

出勤後は調理を始める前に、当日の園児数、欠席者、離乳食の段階、アレルギー対応食、体調不良児の情報などを確認します。変更がある場合は、厨房内で共有してから作業へ入ります。
10時を過ぎると、幼児食の加熱を進めながら離乳食を仕上げ、アレルギー対応食の確認も始まります。昼食前は厨房の作業が最も重なる時間帯です。提供後は食器や器具を洗浄し、午後のおやつを準備します。
朝のおやつや延長保育の補食を出す園では、調理スタッフが交替で早番・遅番に入ることもあります。早番が朝のおやつと昼食の仕込みを進め、遅番が午後のおやつ、清掃、翌日の準備を担当するなど、勤務時間に応じて役割を分けます。

調理方式によって1日の動きは変わる

保育園・認定こども園の給食は、園内の厨房で食材から作る自園調理だけとは限りません。給食受託会社が園内厨房を運営するケースや、外部施設から食事を搬入するケースもあります。
自園調理では、検品から下処理、加熱、盛り付けまでを園内で行います。食材から作る工程が多い分、早い時間から仕込みを始め、昼食後は鍋や調理器具の洗浄も行います。
外部搬入を行う園では、食事の受け取り、検品、温度確認、保管、再加熱、盛り付け、離乳食や個別対応の調整などが中心になる場合があります。
現在の制度では、保育所や幼保連携型認定こども園の満3歳以上児について、一定の要件を満たせば外部搬入が可能です。満3歳未満児の扱いには施設区分などによる条件があるため、求人を見る際は園内でどこまで調理しているかを個別に確認する必要があります。
「保育園の調理師」と記載された求人でも、厨房で行う作業は同じではありません。調理技術を活かしたい人は、「自園調理」「園内調理」「手作り給食」などの記載を確認しましょう。仕込みや大量調理の負担を抑えたい場合は、調理済み食品をどの程度使っているか、外部から何を搬入しているかを聞いておきましょう。

保育園・認定こども園で働く調理師のやりがい

子どもの成長を食事から支えられる

保育園・認定こども園の調理師が作るのは、子どもが成長していく時期に毎日食べる給食です。
入園した頃には離乳食を食べていた子どもが、少しずつ形のある食材を食べられるようになり、幼児食へ移っていく様子を知ることもあります。苦手だった野菜を一口食べられるようになったり、おかわりをするようになったりする変化もあります。
調理師が離乳食の段階を決めるわけではありませんが、指示された硬さや大きさに仕上げるのは厨房の仕事です。以前はつぶした料理を食べていた子が、少しずつ形のある食材を食べるようになる。その変化を知れるのも、園で長く働く調理師ならではです。

子どもの反応を身近に感じられる

保育園・認定こども園では、子どもの反応を身近に感じられる場合があります。
給食室が保育室から見える園では、子どもが調理の様子をのぞきに来ることがあります。食器を返却するときに「おいしかった」「全部食べた」と声をかけてもらえることもあります。
調理師が保育室へ出る機会が少ない園でも、保育士から「今日はよく食べていた」「魚が人気だった」と知らせてもらえる場合があります。残食量を確認することで、子どもが食べやすかった献立や、改善が必要な料理を把握することもできます。

食育に関われる

食育活動へ力を入れている園では、調理師が子どもへ食材や調理方法を伝える機会があります。
自分たちで皮をむいた野菜が給食へ出ると、普段は食べない子どもが興味を持つこともあります。給食室で使っている大きな鍋や調理器具を紹介すると、料理がどのように作られているかを知るきっかけになります。
皮をむいたトウモロコシがその日の給食に出ると、子どもは普段より料理へ興味を示すことがあります。調理したものを食べてもらうだけでなく、料理ができるまでの過程を伝えられるのも園給食の面白さです。

離乳食や幼児食の技術を身につけられる

保育園・認定こども園では、離乳食、幼児食、アレルギー対応食、手作りおやつなどを継続して経験できます。
食材の硬さや大きさ、水分量を調整する技術に加え、通常食と個別対応食を同時に安全に仕上げる工程管理も身につきます。
経験を重ねれば、離乳食担当、アレルギー対応の確認担当、新人教育の担当などを任される可能性があります。発注や在庫管理、シフト作成まで経験すれば、給食責任者や厨房リーダーを目指せる職場もあります。

保育園・認定こども園調理師の大変なこと

アレルギー対応に正確さが必要

アレルギー対応食は、原因食品を入れないだけでは終わりません。調理器具の使い分けから盛り付け、保育室への受け渡しまで、各工程で確認します。
卵を除去した料理を正しく作っても、通常食と同じトレーへ載せたり、別の子どもへ渡したりすれば事故につながります。調理、盛り付け、配膳の各段階で名前や対応内容を照合しなければなりません。
特に注意したいのが、当日の献立変更や代替商品の使用です。納品予定の商品が届かず別の商品を使う場合は、原材料を改めて確認します。食材の変更がアレルギー対応食へ影響する場合は、栄養士や施設長、保育士などへ共有します。

離乳食と幼児食を並行して作る

0歳児や1歳児がいる園では、幼児食と並行して複数段階の離乳食を作ることがあります。
通常食が1種類でも、離乳食の段階や食材の経験状況によって、鍋や調理工程が増える場合があります。幼児食の味付け前に食材を取り分け、さらにやわらかく煮る、刻む、つぶすなどの作業が必要です。
離乳食を担当する人だけが内容を把握している状態では、欠勤時の対応が難しくなります。写真付きの見本や手順書、食材確認表が整備されているかは、職場選びでも確認したいポイントです。

少人数の厨房では担当範囲が広い

保育園・認定こども園の厨房は、園児数に応じた少人数体制で運営されることがあります。
調理だけでなく、検品、盛り付け、洗浄、清掃、発注まで同じスタッフが担当する職場もあります。50食程度でも、2人で離乳食、幼児食、おやつ、洗浄まで受け持てば、作業に余裕があるとは限りません。
例えば、50食を2人で作る園と、150食を6人で作る園では、一人あたりの業務量が同程度になる可能性があります。さらに、離乳食やアレルギー対応食の件数、手作りおやつの頻度によっても忙しさは変わります。

決められた時間までに複数の作業を進める

保育園では、クラスごとに生活の流れが決まっています。給食が遅れると、午睡や午後の保育にも影響します。
調理と並行して離乳食、アレルギー対応食、盛り付け、食数確認を進めるため、昼食前は複数の工程が重なります。
盛り付けを急いで食札の確認を飛ばしたり、温度を測ったまま記録を後回しにしたりすると、誤配膳や記録漏れが起こります。加熱や盛り付けだけでなく、温度測定やアレルギー対応食の確認に必要な時間まで含めて工程を組みます。

立ち仕事や厨房内の暑さによる負担がある

調理の仕事は立ち仕事が中心です。食材や食器の運搬、大きな鍋の取り扱い、食器洗浄などもあり、体力を使います。
給食調理員の職場は高温・多湿になりやすく、直接食品へ触れるため、衛生管理と調理従事者自身の健康管理が重要だとjob tagでも説明されています。
職場見学では厨房の広さや空調だけでなく、食器洗浄機の有無、重い食材を運ぶ台車、調理台の高さ、配膳場所までの動線なども確認するとよいでしょう。

保育園・認定こども園調理師に求められる資格・スキル

調理師免許は必要?

保育園・認定こども園の厨房には、調理師免許を応募条件とする求人と、無資格でも応募できる求人があります。
給食調理員への入職に特定の学歴や資格は必須ではないものの、「調理師」として募集される求人では、調理師免許が応募条件になっている場合があります。
調理師免許がない場合は、「調理員」「調理補助」「給食スタッフ」「厨房スタッフ」などの職種名でも探してみましょう。無資格可の求人でも、盛り付けと洗浄が中心の職場から、仕込みや加熱調理まで担当する職場まであります。
正社員や給食責任者候補の求人では、調理師免許に加えて、保育園給食や大量調理の経験が求められることがあります。

給食調理の技術

保育園・認定こども園では、数十食から数百食の給食を決められた時刻までに作ります。
家庭料理や一皿ずつ注文を受ける飲食店とは、扱う食材の量や作業の順番が異なります。ただし、大量調理が未経験でも応募できる求人はあります。
面接では「調理経験があります」とだけ伝えるのではなく、担当していた食数や料理、使用した機器を説明しましょう。
例えば、「社員食堂で昼食約150食の主菜を担当していた」「ホテルの朝食でスチームコンベクションオーブンを使用していた」など、数字や具体例があると経験が伝わりやすくなります。

離乳食・幼児食に関する知識

乳児を受け入れる園では、食材をどこまでやわらかく煮るか、どの程度の大きさに切るかを毎日の調理で判断します。
ただし、家庭で離乳食を作った経験があっても、そのまま園の基準として使えるとは限りません。園では複数の子どもへ継続して食事を提供するため、調理手順や確認方法が細かく決められています。
入職後は、写真付きの見本、調理指示書、離乳食の段階表などを確認し、その園の基準を覚えます。経験があっても、以前の職場と同じ硬さや切り方とは限りません。入職後は、その園の見本と指示書に合わせます。

アレルギー対応の知識

アレルギー対応では、原因食品を使わないだけでなく、通常食を混ぜない作業手順も覚えます。
調理器具を分ける、作業場所を清掃してから調理する、対応食を先に作る、ラベルで識別するなど、園が定めた手順を守ります。原材料表示を確認する習慣も必要です。
アレルギー対応が未経験の場合は、応募先で研修を受けられるか、調理と確認を何人で行っているかを面接で聞いておきましょう。

衛生管理の知識

保育園給食では、調理前の健康チェック、手洗い、食材の受け入れ確認、加熱温度の測定、器具の使い分け、冷蔵庫・冷凍庫の温度記録などを行います。
面接では「衛生管理を徹底していました」と伝えるだけでなく、「加熱後の中心温度を測定して記録していた」「生肉用と加熱済み食品用で器具を分けていた」など、実際に行っていたことを説明しましょう。

保育園・認定こども園にはどのような勤務先がある?

認可保育所

認可保育所では、主に保育を必要とする子どもを受け入れ、園の開園日や保育時間に合わせて給食やおやつを提供します。
0歳児から受け入れている園では、離乳食を扱う可能性があります。延長保育を行っている場合は、夕方の補食や軽食を準備することもあります。
求人を見る際は、定員だけでなく、0歳児・1歳児の人数、離乳食の段階、土曜保育、延長保育の食事提供まで確認しましょう。

認定こども園

認定こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持ち、教育と保育を一体的に行う施設です。幼保連携型幼稚園型保育所型地方裁量型の4つの類型があります。
認定こども園には、教育時間を中心に利用する子どもと、夕方まで保育を利用する子どもが在籍します。そのため、昼食を食べる園児数と午後のおやつを食べる園児数が異なる場合があります。
長期休業期間や一時預かり、土曜保育の利用状況によって食数が変わる園もあります。面接では、1号・2号・3号認定の園児数や、給食・おやつの提供範囲を確認すると、実際の業務をイメージしやすくなります。

小規模保育事業所

小規模保育事業所は、比較的少人数の子どもを受け入れる施設です。
食数は大規模園より少ないものの、厨房スタッフも少人数になる傾向があります。一人で仕込み、調理、盛り付け、洗浄まで担当したり、栄養士が不在の日に調理スタッフだけで厨房を運営したりする職場もあります。
小規模園を見るときは、食数よりも「何人で厨房を回すのか」を確認したいところです。休憩中に代わりへ入る人や、欠勤時の応援がいなければ、一人で厨房を任される時間が生じることもあります。

企業主導型保育施設

企業主導型保育施設は、企業が従業員の子どもなどを受け入れるために設置する施設です。
施設によって定員、受け入れ年齢、開園時間が異なります。勤務形態に合わせて早朝や夜間まで開園する施設では、食事や補食の提供時間が一般的な保育園と異なる場合があります。
求人票では、「保育園勤務」という言葉だけでなく、開園時間、食事の提供回数、休日保育の有無を確認しましょう。

院内・事業所内保育施設

病院や企業の敷地内などに設けられた保育施設です。
病院職員や企業の従業員の勤務時間に合わせ、早朝、夜間、土日祝日に開園している施設もあります。夜間保育がある場合は、昼食とおやつだけでなく、夕食や夜食を用意する可能性があります。
「保育園なら日勤だけ」と思って応募すると、早朝や夜間の調理があるかもしれません。院内・事業所内保育施設では、食事を出す時間と調理師のシフトを先に見ておきましょう。

保育園・認定こども園の調理師に向いている人

離乳食や幼児食の調理を身につけたい人

保育園・認定こども園では、幼児食だけでなく、子どもの発達に合わせた離乳食を作ることがあります。同じ食材でも、やわらかく煮る、細かく刻む、すりつぶす、水分を加えるなど、離乳の進み方に応じて仕上げ方を変えます。
家庭で離乳食を作った経験がなくても、園の手順書や見本を確認しながら覚えられる職場があります。肉や野菜の硬さを見ながら加熱時間を変えたり、離乳の進み方に合わせて切り方を変えたりする作業に興味がある人には、学べることの多い職場です。

おやつ作りや食育活動に関わりたい人

園によっては、給食だけでなく、蒸しパン、おにぎり、クッキー、ゼリーなどの手作りおやつも担当します。誕生日会や七夕、クリスマスなどには、行事に合わせた料理やおやつを作ることもあります。
また、野菜の皮むきやクッキング保育、給食室の見学など、食育活動へ調理師が参加する職場もあります。給食を作るだけでなく、野菜の皮むきやクッキング保育にも参加したい人は、食育の担当範囲が広い園を探してみましょう。

調理から片付けまで幅広く担当したい人

園児数が少ない保育園では、調理スタッフも少人数になることがあります。食材の検品や仕込み、加熱調理だけでなく、盛り付け、食器洗浄、清掃、発注まで担当する職場もあります。
仕込み、加熱、盛り付け、洗浄まで一通り経験したい人には、少人数の厨房が合うこともあります。ただし、担当範囲は園によって異なるため、応募前に何人で何食を作るのか、発注や書類作成も任されるのかを確認しましょう。

保育園・認定こども園調理師の年収・給与事情

給与は勤務先や経験によって異なる

保育園・認定こども園で働く調理師の給与は、勤務地、雇用形態、経験年数、保有資格、運営法人、担当業務などによって異なります。
こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、私立保育所で働く常勤調理員の賞与込み給与月額は30万4,434円です。12か月分に換算すると、年収の目安は約365万円となります。
公立保育所の常勤調理員は、賞与込み給与月額が37万2,171円で、年収換算では約447万円です。私立と公立では月額で約6万8,000円の差があります。ただし、平均勤続年数や職員の年齢構成などが異なるため、公立の求人へ転職すれば一律にこの金額を受け取れるわけではありません。
また、この調査は「調理師」ではなく「調理員」の給与を集計したものです。調理師免許のない職員も含まれる可能性があり、給与月額には賞与の1か月分相当額も含まれています。調査の月額を、そのまま求人票の基本給と比べることはできません。求人では、基本給と資格手当、役職手当、賞与、処遇改善に伴う手当を分けて見てください。

給与に差が出る主な理由

保育園・認定こども園の調理師は、園の運営法人に直接雇用される場合と、給食受託会社の社員として園へ配属される場合があります。同じ園で働いていても、雇用主によって基本給、昇給、賞与、退職金、資格手当などが異なります。
担当業務によっても給与に差が出ます。給食の調理や洗浄を中心に担当する求人と、離乳食・アレルギー対応、発注、在庫管理、給食会議、スタッフへの作業指示まで任される求人では、責任の範囲が異なります。求人を比較する際は、月給だけでなく、雇用主、担当業務、資格手当、役職手当を確認しましょう。

福利厚生も含めて比較する

毎月の給与が同じでも、賞与、退職金、住宅手当、資格手当、食事補助などによって実際の待遇には差が出ます。
年間休日や有給休暇、土曜出勤の頻度、代休の取り方も確認しましょう。「土日祝休み」と記載されていても、行事や土曜保育によって年に数回出勤する場合があります。
自分の子どもを系列園へ預けられる制度や、法人内研修、外部研修費用の補助などを設けている運営法人もあります。月給だけでなく、休日、シフト、通勤時間を含めて比較してください。

保育園・認定こども園の求人を選ぶ際のチェックポイント

園の種類と受け入れ年齢を確認する

認可保育所、認定こども園、小規模保育事業所、院内保育施設など、園の種類によって園児の年齢や保育時間が異なります。
ただし、施設種別だけで仕事内容を判断することはできません。同じ認可保育所でも、0歳児を受け入れている園と、幼児のみを受け入れている園では、離乳食の有無が異なります。
園の種類に加えて、受け入れ年齢、開園時間、土曜保育、延長保育、給食とおやつの提供回数を確認しましょう。

離乳食の対象人数と段階を確認する

離乳食は、対象人数と段階によって作業量が変わります。
0歳児が数人でも、食べられる食材や離乳の進み方が異なれば、複数の調理工程が必要になる場合があります。
面接では、次の点を確認するとよいでしょう。
  • 離乳食の対象児は何人いるか
  • 何段階に分けて提供しているか
  • 幼児食から取り分けるか、別に調理するか
  • 離乳食専任の担当者がいるか
  • 献立や手順書、写真付きの見本があるか
  • 家庭での食材摂取状況をどのように共有しているか
離乳食が未経験の場合は、最初のうちは先輩と一緒に担当できるかも確認しましょう。

アレルギー対応の人数と確認体制を確認する

アレルギー対応の負担は、対象人数だけでなく、原因食品や対応方法によって変わります。
同じ原因食品を除去する子どもが複数いる場合と、一人ずつ異なる代替食を作る場合では工程が異なります。
「アレルギー対応はありますか」と質問するだけでなく、次の点まで聞いてみましょう。
  • 対応児は何人いるか
  • 除去食と代替食のどちらが中心か
  • 専用の調理器具や作業場所があるか
  • 調理後は何人で確認するか
  • 配膳時に保育士とどのように照合するか
  • 研修や対応マニュアルがあるか

自園調理か外部搬入かを確認する

保育園・認定こども園では、園内厨房で食材から調理する園のほか、外部から搬入された食事を提供する園もあります。
食材から調理したい人が、再加熱と盛り付け中心の園へ入ると、包丁や鍋を使う機会が思ったより少ないことがあります下処理や大量調理の負担を減らしたいなら、外部搬入や調理済み食品を使う園も選択肢に入ります。
求人票や面接では、次の点を確認してください。
  • 主菜や副菜を園内で調理しているか
  • 離乳食を園内で作っているか
  • 調理済み食品をどの程度使用しているか
  • おやつは手作りか市販品か
  • アレルギー対応食を園内で作るか
  • 行事食を園内調理するか

雇用主が運営法人か給食受託会社かを確認する

保育園・認定こども園の厨房で働く調理師には、園の運営法人へ直接雇用される場合と、給食受託会社の社員として園へ配属される場合があります。
勤務地が保育園でも、必ずしもその園の職員として採用されるとは限りません。
給食受託会社に採用される求人では、契約状況や会社の方針によって、別の園への応援勤務や異動が発生する場合があります。一方、園の直接雇用でも、運営法人が複数の園を持っていれば法人内異動の可能性があります。
求人票では、募集元の法人・企業名、就業場所の変更範囲、異動や応援勤務の有無を確認しましょう。雇用主によって給与体系、賞与、退職金、研修制度が異なる場合があります。

土曜出勤と勤務時間を確認する

保育園・認定こども園では、月曜日から土曜日まで開園しているところがあります。
求人票に複数の勤務時間が記載されている場合は、もっとも早い出勤時刻と遅い退勤時刻を確認しましょう。土曜勤務が月に何回あるか、出勤した場合に平日の代休があるかも確認します。
認定こども園では、教育時間を利用する子どもの長期休業期間にも、保育を利用する子どもへ給食を提供する場合があります。「学校に近い施設だから夏休みは給食がない」と決めつけず、年間の勤務日を確認してください。

行事食・食育活動の頻度と担当範囲を確認する

行事食や食育に力を入れている園では、調理師の経験やアイデアを活かせます。一方、通常の調理以外に準備や打ち合わせが増える場合があります。
月に何回程度行事食があるのか、食育活動へ調理師が参加するのか、給食だよりの作成やクッキング保育まで担当するのかを確認しましょう。
食育へ積極的に参加したい人と、厨房の調理へ集中したい人では、合う園が違います。面接では、給食室の外で行う仕事まで聞いておきましょう。

保育園・認定こども園調理師への転職を成功させるポイント

これまでの経験を具体的に整理する

応募書類には、勤務先の業態だけでなく、担当していた業務や食数を具体的に書きましょう。
「飲食店で調理を担当」と書くよりも、「1日約120食を提供するレストランで、野菜の仕込み、主菜の加熱、盛り付けを担当」と書いたほうが、採用担当者は経験を判断しやすくなります。
職務経歴書を作る前に、次の項目を書き出しておきましょう。
  • 1日または1回あたりの調理食数
  • 担当していた料理や工程
  • 使用経験のある調理機器
  • 発注や在庫管理の経験
  • アレルギー対応食の経験
  • おやつや菓子作りの経験
  • 新人やパートスタッフへの指導経験
  • 衛生管理や記録業務の経験

衛生管理への取り組みを伝える

保育園・認定こども園への転職では、調理技術と同じくらい、衛生管理への姿勢が見られます。
面接では「衛生管理に気をつけていました」と話すだけでなく、実際に行っていた作業を説明しましょう。
例えば、次のような経験です。
  • 冷蔵庫・冷凍庫の温度記録
  • 加熱後の中心温度測定
  • 食材ごとの包丁・まな板の使い分け
  • アレルギー対応食の調理
  • 検品時の品温や期限の確認
  • 調理器具の洗浄・消毒
  • スタッフの健康チェック
  • 衛生点検表への記録
例えば、「注文が重なる時間帯でも、中心温度を測ってから提供していた」と説明すれば、忙しいときの仕事ぶりまで伝わります。

飲食店経験を保育園給食へ結びつける

離乳食や幼児食を作った経験がなくても、飲食店で身につけた技術の多くは保育園の厨房でも使います。
仕込みの速さ、複数の料理を並行して作る力、盛り付け、衛生管理、スタッフとの連携などは、保育園給食でも必要です。
志望動機が「夜の勤務を減らしたい」だけでは、保育園を選んだ理由が伝わりません。「飲食店で身につけた段取りを給食調理に活かしたい」「離乳食を基礎から覚えたい」と、入職後に取り組みたいことまで話しましょう。

園見学で厨房の様子を確認する

求人票だけでは、厨房の広さや人員配置、スタッフ同士の関係まで分かりません。
見学が可能であれば、次の点を確認しましょう。
  • 厨房内が整理されているか
  • スタッフ同士が声をかけ合っているか
  • 調理機器や食器洗浄機が整っているか
  • 離乳食やアレルギー対応食の作業場所が確保されているか
  • 食材や調理済み食品の動線が整理されているか
  • 厨房内の暑さや換気に問題がないか
  • 保育室と厨房で情報を共有しやすいか
衛生管理上、厨房内へ入れない園もあります。その場合は、見学できる範囲から設備やスタッフの動きを確認し、分からない点を面接で質問してください。

よくある質問

保育園・認定こども園の調理師は未経験からでも働けますか?

未経験から応募できる求人があります。最初は野菜の洗浄や盛り付け、食器洗浄を担当し、園の流れを覚えてから加熱調理や離乳食へ入る職場もあります。入職後は、野菜の洗浄や下処理、盛り付け、洗浄などから始め、仕事に慣れてから加熱調理や離乳食へ移るケースがあります。

離乳食の経験がなくても応募できますか?

離乳食を作った経験がなくても、応募できる求人はあります。ただし、入職後すぐ一人で離乳食を任される職場では、負担を感じるかもしれません。
入職後は園の調理基準や写真付きの見本を確認し、食材の硬さ、大きさ、水分量などを覚えます。家庭での離乳食作りとは確認方法や調理量が異なるため、経験の有無にかかわらず園の手順へ合わせる必要があります。
面接では、離乳食を何人で担当するか、研修期間があるか、最初から一人で任されるのかを確認しましょう。

アレルギー対応は難しいですか?

アレルギー対応では、原因食品の除去だけでなく、調理中の混入や配膳時の取り違えを防ぐ必要があります。
原因食品や対象児を覚えるだけでは対応できません。園では一覧表や専用食器、名前付きのラベルを使い、盛り付け後にも別の職員が確認します。
応募時には、対応マニュアル、専用器具、確認人数、研修制度が整っているかを確認してください。

保育園調理師の残業は多いですか?

残業時間は、園児数、人員配置、欠員状況、行事食の頻度、発注や事務作業の担当範囲によって変わります。
通常はシフト内に給食とおやつの提供、片付けが終わるように組まれています。ただし、急な欠勤、行事食の準備、給食会議、発注作業などで残業が発生する場合があります。
求人票の月平均残業時間だけでなく、「どのような日に残業が発生しますか」と面接で聞いてみましょう。

子どもと直接関わる機会はありますか?

給食室からほとんど出ない園もあれば、食育やクッキング保育で子どもの前に立つ園もあります。
厨房内の調理と洗浄が中心で、子どもと接する機会が少ない職場もあります。一方、食育活動、クッキング保育、給食の見回り、行事などを通じて子どもと関わる園もあります。
子どもとの関わりを重視する場合は、調理師が食育活動へどの程度参加しているか見学面接で確認しましょう。

保育園と認定こども園で仕事内容は違いますか?

食材の検品から仕込み、調理、盛り付け、洗浄までの流れは、保育園と認定こども園で大きく変わりません。
認定こども園では、教育時間を中心に利用する子どもと、夕方まで保育を利用する子どもが在籍するため、昼食とおやつで食数が異なる場合があります。長期休業期間や預かり保育によって提供数が変わる園もあります。
実際の忙しさを左右するのは施設名より、園児数、離乳食の件数、開園時間、厨房の人数です。園児数、受け入れ年齢、離乳食、アレルギー対応、開園時間、人員配置を比較してください。

保育園・認定こども園の調理師は土日祝日に休めますか?

日曜日と祝日を休園日としている園では、調理師も休みになることが一般的です。一方、土曜保育を行っている園では、交替で土曜日に出勤する場合があります。
院内保育施設や休日保育を行う施設では、日曜日や祝日に勤務する可能性もあります。
求人票では休日欄だけでなく、土曜出勤の回数、代休の有無、行事による休日出勤について確認してください。

まとめ

幼児食を作る横で離乳食をやわらかく煮、別の場所ではアレルギー対応食を盛り付ける。保育園・認定こども園の厨房では、子どもに合わせた複数の食事を同時に仕上げます。園によっては、離乳食やアレルギー対応食を担当するため、食材の硬さや大きさを調整し、混入や取り違えを防ぐ確認も欠かせません。
求人を選ぶ際は、園児数だけでなく、離乳食・アレルギー対応食の数、厨房の人員体制、自園調理か外部搬入かを確認しましょう。雇用主が園の運営法人か給食受託会社かによっても、給与や働き方が異なります。
飲食店での仕込みや加熱調理、盛り付け、衛生管理は、園の厨房でも使う技術です。応募前に、何食をどの持ち場で作っていたのかを整理しておくと、保育園給食で活かせる経験を説明しやすくなります。

参考資料

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