本記事では、管理栄養士の年収を年代別や都道府県別にわけて紹介します。最新の厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、栄養士・管理栄養士の平均年収は約394万円となっており、前年(約390万円)から上昇しています。また、管理栄養士は給料が低いといわれることもありますが、一概にそうとはいいきれません。年収をアップさせるポイントも紹介しているため、ぜひご確認ください。
【この記事でわかること】
・管理栄養士の年収は職種や業界、勤続年数などで異なる
・医療従事者と比較すると管理栄養士の年収は低い傾向だが、業界や職種によって異なるため一概に低いとはいえない
・関連資格の取得やスキルを磨くなどで年収アップが期待できる
【監修者コメント】
年収アップを目指して転職する場合、即戦力としての実力を求められることがあります。就職先の規模によっては、ひとりで幅広い業務を担わなければならないことも。未経験の分野に挑戦するときは、どのようなスキルや経験が必要かリサーチしておきましょう。転職後に後悔しないよう、年収だけでなく自分のキャリアパスを考えておくことも大切です。
管理栄養士の平均年収はいくら?
一般的に年収とは、1年間の総支給額を指します。基本給、通勤手当などの手当各種、賞与などが含まれています。 「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、全国の管理栄養士の年収は約394万円でした。 同統計では「栄養士」と記載されており、管理栄養士・栄養士の区別はされていないと考えられるため、参考程度に見ておきましょう。管理栄養士は国家試験に合格しなければならない国家資格です。一方、栄養士は養成施設を卒業と同時に取得できるものであり、資格の難易度によって年収が異なると考えられます。 管理栄養士の平均賞与(ボーナス)
管理栄養士の年間賞与(ボーナス)は、平均すると70万円前後が目安です。
管理栄養士は医療機関や介護施設、保育園、給食委託会社、一般企業など幅広い職場で活躍していますが、賞与額は勤務先の種類や規模によって大きく異なります。
例えば、公立病院や大学病院、大手企業では賞与が年4~5か月分程度支給されるケースもあります。一方で、小規模な医療機関や福祉施設では賞与が少なかったり、業績によって変動したりすることもあります。
そのため、管理栄養士の収入を比較する際は、月給だけでなく賞与も含めた年収ベースで判断することが大切です。
管理栄養士の初任給
初任給の相場は22万~24万円程度が中心となっています。特に都市部や給食委託大手では24万円以上の求人も増加しています。
【年代別】管理栄養士の年収
年代別の管理栄養士の年収は、次のとおりです。
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20~29歳 | 約332万円 |
30~39歳 | 約428万円 |
40~49歳 | 約450万円 |
50~59歳 | 約515万円 |
60~69歳 | 約405万円 |
※参考:政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」 年代があがるごとに年収が増え、40代〜50代が年収のピークになる傾向があります。40代〜50代の管理栄養士は、実務経験が豊富にあり、教育担当や管理者など役職が付く年代と考えられます。そのため、役職手当などにより年収があがるといえるでしょう。 【雇用形態別】管理栄養士の月収
ここでは「栄養士ワーカー」で掲載している求人情報をもとに、雇用形態別の管理栄養士の平月収を紹介します。 | |
正社員 | 227,000円 |
契約社員 | 223,000円 |
非常勤・パート | 1,304円 |
雇用形態による月収差は大きくありませんが、正社員は賞与や各種手当、昇給制度があるため、年収ベースでは契約社員やパートより高くなる傾向があります。
【都道府県別】管理栄養士の月収
都道府県ごとの管理栄養士の平均月収を紹介します。地域ごとの最低賃金や平均勤続年数の傾向によって高低差が生まれることが考えられます。自分が勤務する地域の管理栄養士の平均月収を確認してみましょう。
北海道・東北地方
北海道・東北地方の平均月収は、次のとおりです。
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北海道 | ¥224,949 |
青森県 | ¥213,037 |
岩手県 | ¥205,897 |
宮城県 | ¥209,973 |
秋田県 | ¥209,141 |
山形県 | ¥210,678 |
福島県 | ¥216,221 |
北海道は22万円台半ばと比較的高い水準ですが、東北地方は20万円台前半が中心となっています。地域間の差は約2万円あり、特に岩手県は全国でも低水準となっています。
関東地方
関東地方の平均月収は、次のとおりです。
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茨城県 | ¥225,826 |
栃木県 | ¥231,444 |
群馬県 | ¥216,397 |
埼玉県 | ¥235,371 |
千葉県 | ¥235,345 |
東京都 | ¥242,821 |
神奈川県 | ¥237,876 |
関東地方は全国でも高水準のエリアです。東京都が24万円超で最も高く、神奈川県・埼玉県・千葉県も23万円台後半となっており、首都圏の給与水準の高さがうかがえます。
北陸・東海地方
北陸・東海地方の平均月収は、次のとおりです。
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新潟県 | ¥222,113 |
富山県 | ¥222,138 |
石川県 | ¥220,575 |
福井県 | ¥220,518 |
長野県 | ¥221,274 |
岐阜県 | ¥226,432 |
静岡県 | ¥230,633 |
愛知県 | ¥232,494 |
三重県 | ¥227,098 |
北陸地方は22万円前後で安定している一方、東海地方は比較的高水準です。特に愛知県と静岡県は23万円前後となっており、地域の産業基盤の強さが給与水準にも表れています。
近畿地方
近畿地方の平均月収は、次のとおりです。
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滋賀県 | ¥231,475 |
京都府 | ¥222,835 |
大阪府 | ¥237,752 |
兵庫県 | ¥232,646 |
奈良県 | ¥230,821 |
和歌山県 | ¥233,490 |
近畿地方では大阪府が23万円台後半と高水準です。また、和歌山県や兵庫県、滋賀県も23万円台を維持しており、全体として全国平均を上回る県が多く見られます。
中国地方・四国地方
中国地方・四国地方の平均月収は、次のとおりです。
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鳥取県 | ¥226,838 |
島根県 | ¥209,297 |
岡山県 | ¥213,857 |
広島県 | ¥224,018 |
山口県 | ¥220,205 |
徳島県 | ¥212,519 |
香川県 | ¥230,105 |
愛媛県 | ¥216,696 |
高知県 | ¥212,394 |
中国・四国地方では香川県が23万円超と突出しています。一方で島根県や徳島県、高知県は21万円前後となっており、県ごとの差が比較的大きい地域といえます。
沖縄・九州地方
沖縄・九州地方の平均月収は、次のとおりです。
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福岡県 | ¥219,627 |
佐賀県 | ¥220,561 |
長崎県 | ¥206,628 |
熊本県 | ¥213,809 |
大分県 | ¥224,496 |
宮崎県 | ¥206,869 |
鹿児島県 | ¥222,304 |
沖縄県 | ¥212,930 |
九州・沖縄地方は20万円台前半が中心ですが、大分県や鹿児島県は比較的高水準です。一方で長崎県と宮崎県は20万円台前半にとどまり、同じ地域内でも給与水準に開きが見られます。
【業界別】管理栄養士の月収
管理栄養士は病院や介護施設、保育園など、さまざまな業界で活躍できる職種です。業界ごとの平均年収を確認してみましょう。
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医療(病院・クリニックなど) | ¥228,142 |
介護・福祉(介護や障がい福祉施設など) | ¥225,940 |
教育(保育園や学校など) | ¥225,670 |
業界別に平均年収を比較すると、医療業界の金額が特に高いことがわかります。医療業界では、栄養学の知識だけでなく、医療に関する専門知識も必要となります。病態に応じた食事療法や栄養管理などが治療に影響を及ぼすこともあり、責任の大きさが給与に反映されるケースも多いでしょう。 また、医療機関によっては、複数の管理栄養士や栄養士がチームとなって働く「栄養管理部門」などが設置されている場合もあります。その場合、チームの責任者やマネジメントなどのポジションに昇進する機会もあり、給与が高くなることが考えられます。 介護・福祉や教育の業界は、医療業界に比べて、未経験でも働きやすい傾向があるため、新卒などで入職するケースがあります。新卒で入職した場合、最初は給与や賞与が低いため年収も低めになるでしょう。 実際の年収や仕事内容は勤務先によって大きく異なるため、事前にリサーチして、自分が働くうえで重視したいことにマッチするか確認することが大切です。
管理栄養士と栄養士の年収はどれくらい違う?
管理栄養士と栄養士の平均年収は、次のとおりです。
管理栄養士は国家資格として専門性が高く評価されるため、栄養士よりも年収が高い傾向があります。勤務先や役職にもよりますが、年収差はおおむね30万~70万円程度となるケースが一般的です。
年収以外の管理栄養士と栄養士の違いも確認してみましょう。
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免許を与える機関 | 厚生労働省 | 都道府県知事 |
仕事内容 | ・健康な方、病気やケガを抱える方の栄養指導 ・健康保持、増進を促す栄養指導 ・特別の配慮を必要とする給食管理 など | ・健康な方の栄養指導や給食管理など |
管理栄養士は、より高度な栄養学の知識が求められ、病気やけがを患う方が適切な栄養を摂取できるように指導・管理することが役割です。栄養士と比較すると、求められる仕事内容が高度なことから、年収が高いと考えられます。 栄養士で年収アップを目指す場合は、転職以外にも管理栄養士の資格取得を目指すのも選択肢のひとつです。
管理栄養士が年収を上げる方法
管理栄養士が年収を上げる方法は、次の3つが挙げられます。
関連資格を取得する
管理栄養士の知識を活かしながら、関連する資格を取得し、活躍の場を広げることで年収アップを目指せる可能性があります。関連資格について、次の表を確認してみてください。
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認定管理栄養士 | - 臨床や学校、スポーツなどさまざまな分野における栄養の専門知識と技術があると認められた資格
- 栄養の指導を責任を持って実践できるレベルと認められた資格
- 管理栄養士や栄養士としての実務経験が5年以上必要
- 基幹教育において、過去5年間に60単位以上の単位を取得(基本研修、実務研修含む)
- 栄養の指導に関する学会などに発表で1回以上、かつ3回以上参加していること
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公認スポーツ栄養士 | - スポーツ選手の栄養や食事に関する自己管理能力を高めるためのサポートを行う
- 日本栄養士会、日本スポーツ協会の共同認定による資格
- 管理栄養士の資格があり、スポーツ栄養指導の経験(または予定)がある満22歳以上であることが条件
- 日本スポーツ栄養学会が開催する講習会の受講が必要
- 受講後、検定試験を合格して取得できる
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栄養教諭 | - 小中学校に通う児童生徒に食育を促す学校教員
- 児童生徒に食事や栄養を管理する能力、好ましい食習慣を身に着けてもらうことを目的に文部科学省が新設した資格
- 専修免許状、一種免許状、二種免許状の3種類がある
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関連資格を取得すると、病院や教育機関、食品メーカーだけでなく、さまざまな職場で働くことができます。年収アップを目指す場合は、関連資格の取得も検討してみましょう。 なお、栄養教諭として働くには、教員採用試験に合格する必要があります。教員採用試験を受ける際は、都道府県によって年齢制限が設けられていることがあるため、注意しましょう。
スキルアップを目指す
今よりもさらに広く深い知識を身に着け、スキルアップすることで年収アップが期待できます。 たとえば、病院給食で献立作成や発注を主な業務にしている場合は、栄養指導に関連するスキルを新たに身に着けると業務の幅が広がり、職場にとって貴重な人材となることで年収アップにつながると考えられます。 栄養指導の対象者は、大人や子ども、入院または外来の患者さまなどさまざまです。しっかりと知識を身につけ、経験を積むことで活躍の場が広がるでしょう。 勉強会や研修会、セミナーなどに参加するのもおすすめです。
待遇のよい職場へ転職する
今働いている職場よりも、待遇のよいところへ転職するのも年収アップにつながります。資格取得やスキルアップと同時、または資格取得後に転職活動を始めるとよいでしょう。 転職を目指す場合は、年収だけでなく、業務内容や働き方、福利厚生の内容などにも注目してみてください。
年収アップを目指して転職するなら「栄養士ワーカー」
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管理栄養士の平均年収を教えてください
約394万円です。勤務する都道府県や職種、職場などによって異なります。詳しくは「管理栄養士の平均年収はいくら?」をご確認ください。
「管理栄養士の年収が低い」というのは本当ですか?
管理栄養士の年収は勤務先や経験、役職によって大きく異なります。病院や介護施設、保育園だけでなく、食品メーカーや自治体、企業の健康支援部門など活躍の場が幅広く、キャリアアップによって収入向上を目指せる職種です。
また、管理栄養士は栄養指導や給食管理に加えて、専門的な栄養マネジメントを担う国家資格であり、経験を積むことで主任や管理職へ昇進する機会もあります。そのため、一概に「年収が低い職種」とは言えず、働く環境やキャリアの選択によって収入の幅を広げやすい職種といえるでしょう。
年収が高い管理栄養士の特徴を教えてください
年収が高い管理栄養士には、専門性を高めながらキャリアアップを実現しているという共通点があります。例えば、食品メーカーでの商品開発や研究職、特定保健指導、企業の健康経営支援、管理職などは比較的高い収入を目指しやすい分野です。
また、勤続年数を重ねることで経験やマネジメント能力が評価され、昇給や役職手当につながるケースも少なくありません。資格取得後も継続的に知識やスキルを磨き、自身の専門性を高めていくことで、さらなる年収アップを期待できるでしょう。